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誇り高い 一族の名
それより鮮烈に刻まれし
憧憬の二文字はそう
初めから 気高い漆黒
 
この道を選んだ日から
迷いはない 魂をかけろ
目標が霧散したとて
言い訳で立ち止まりなどせぬ
 
使命を果たせ
正義とは唯一無二
一筋の光のようなもの
 
強くなりたい
強くなりたい
目指す先は はるか遠く
まだ手も届かないけど
 
強くなりたい
強くなりたい
感情に脇目をふるような
凡庸では及ばない
 
「危ういね」と眉を下げて笑う声は
未熟なこの耳には まだ届かない
 
学ぶ身分の甘えなのか?
巫山戯た態度が癇に障る
 
お人好しをはき違えたか?
美徳にもならない逃げ腰に
軽蔑すべき臆病風
しかし吹けば霧は晴れ
 
愚かしい優しさが
強さに変わる瞬間
目の当たりにした
ならば もう
 
強くなりたい
強くなりたい
目指す先は 遥か遠く
また遠ざかりすらする
 
強くなりたい
強くなりたい
正義のための捨て駒なら
喜んでなっていただろう
 
「生き残れ」と幾重も怒鳴り囁く声で
誰よりも守られてたと思い知る
 
強くなりたい
強くなりたい
もう二度と何も失う事ないように
もう二度と
 
強くなりたい
強くなりたい
目指す先は 遥か遠く
まだ手も届かないけど
 
強くなりたい
強くなりたい
胸の奥で静かに在り続ける
あの微笑みのように
 
「少しは近づけたか」と一人呟く声に
初夏の風が 木漏れ日を揺らした

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