内緒話

生きるため、という建前で
裏切る人を演じてきました
これでも一応 拾われて
慈悲をかけられた身です
 
何度目かの幕引きのあと
出会った君は鋭い目つきで
そのわりにいつしか
なんでも話してくれた
 
朝を迎えるのは
働き蜂のように飛び回るため
夜 眠りにつくのは
届けるため
裏切りのカウントダウン
 
内緒話 ねえ いつか 
僕にも話してくれるかな
内緒話 でもいいよ
僕にも言えないことはあるし
 
内緒話 そう これは
君に言えない 内緒の話
 
少し長く居すぎた
自覚は見ないふりをした
まるで最初からここに居たようで
 
人に恵まれ 時にぶつかって
素直じゃなくても
認め合ってた
忍び寄る戦火の足音は
紛れもなく 僕から出てたのに
 
朝 目を覚ますのは
早起きな君に合わせて
夜を迎えるのは
届けるため
裏切りのカウントダウン
 
こんなに苦しかったっけ?
 
内緒話 ねえいつか
僕にも話してくれるかな
内緒話 ああいいよ
僕だってこれは言えないから
 
内緒話 滑稽だ
先に秘密を抱えたのは
僕なのに
 
僕にとって生きることは
誰かに言われた
あんなこと そんなこと
全て違わず踏み固めること
 
自分の足で 自分の意思で
命を歩み続ける君
眩しくないわけないだろう
 
いよいよカウントが迫る
僕の心臓が駄々をこねる
「君を思い出にしたくない」
今まで散々だった
どうなったってよかった
なんの感慨もないけど

君の隣は悪くないと思ってたよ
 
内緒話 ねえ いつか 
僕にも話してくれるかな
内緒話 でもいいよ
僕にも言えないことはあるし
 
内緒話 そう これは
君に言えない 内緒の話
 
君に出会えたこと
君にまつわったこと
全て 全て 誇りに思う
 
僕は生まれて初めて
ここで生まれて 生きた
後悔などないさ
 
内緒話 ああ でもさ
会えなくなるのも寂しいけど
内緒話 できたらさ
あの人のことも助けてほしい
 
内緒話